Chain〜切れない鎖〜
相変わらずの毎日を送るあたし。
でも、一馬と付き合いだしてから、数回おかしなことがあった。



初めは気のせいだと思った。
でも、明らかに何かが変わり始めていた。




街で「一馬」という言葉を何回も聞いた気がした。
慌てて振り向いても、後ろには誰もいない。
でも、明らかに人の気配を感じていた。

当の一馬が気付いていたのかは知らない。
一馬のことだから、わざと無視している可能性だって否定出来ないから。

「一馬」という声が聞こえる度にあたしは恐ろしくなって、一馬の腕を引っ張って足早に歩いた。
あたしの大好きな一馬を持っていかれてしまいそうで、すごくすごく怖かった。

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