Chain〜切れない鎖〜
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「汚れちゃったね、芽衣チャン」

奴らは涙でぐしゃぐしゃになったあたしを見て、笑っていた。



そういうことは好きな人としたかった。
甘い痛みに痺れて、幸せを噛み締めたかった。
ずっとそうであろうと信じていた。



なのになんで…





意識が遠のく前、倉庫の扉が開くのが見えた。
眩しい光が倉庫に射し込み、あいつらは目を細める。

鮮やかな金髪。
着崩した学ラン。
そして怒りに歪ませた顔。




「…一馬」

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