年下彼氏。*ハツカレ*


「ありがとう、お父さん」

「あぁ・・・何かあったらすぐに帰ってきなさい」

「うん、ありがとう」



助手席の窓からお父さんに微笑んだ

お母さんはうるうるしながらあたしを見上げていて


「玲・・・」


って呼ぶ


「・・・また帰るから、ね?お母さん」

「うん、絶対によ?」

「うん、絶対」


お母さんの手があたしの頬を撫でる


「じゃぁね、玲」

「うん」



お母さんがニコッと笑ってくれた

でも、それはあたしに向けられたものではないってくらい、わかってる


あたしに向けられているのは、全て“あやね”のものだって




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