年下彼氏。*ハツカレ*


首を横に振って名前を呼んだ


「玲・・・」


座っていた千颯くんはあたしを抱き寄せた


温かい体温があたしを包む

お互い着ているモノがあるのに、そんなのは関係なくあたしは千颯くんを感じた


「っ・・ふぅっ・・・千颯っ・・・くん」



溢れ出る涙で千颯くんがよく見えない


でも聞きたいことがあるの


「・・・どうして?」


お化粧がぐちゃぐちゃだとわかっていてもあたしは顔を上げた


「ひどい顔」


と言ってあたしの涙を唇で掬っていく千颯くん



「飴とムチだよ、言ってなかった?父さん」




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