時と種族を越えて
由紀音「綾香、よくこの状況で微笑めるわね。」

綾香「由紀音、落ち着いたら?白守様も、この森にいらっしゃるわ。」


綾香が、そう言って私に目配せをした。


由紀音「……でも、あんまり白守に頼りたくないのよね。」

私は、そう呟くと邪鬼を見据えた。


由紀音「目が弱いかな?」

私は、自分の霊気で黄色の矢を作り出した。
黄色?
この間まで、水色だったのに………


由紀音「あれ?まぁ、いいか。」

邪鬼「その矢、巫女か!」


私は、邪鬼の言葉を無視して弓を引く。
綾香の対魔式結界は、霊気を素通りさせる。


バシュ!

バシュ!



次々に放たれた、二本の矢が邪鬼の目に突き刺さった。


綾香「やるじゃない。」


由紀音「まだ、終わって無いわよ。」

私は、剣(これも黄色)を自分の霊気で作り出し、止めを刺した。




邪鬼の身体が、目の前から消え去る。



綾香「ったく、あんたが零藍の巫女だったなんて。どうして、話してくれなかったのよ?」

邪鬼が、消えた途端、綾香が頬を膨らませて言った。


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