時と種族を越えて
由紀音「えっ?どうして、分かったの?」


私は、戸惑いながらも、綾香に聞き返す。





綾香「赤系の気は妖怪。青系の気は人間。黄系の気は神。そして、神の気を纏う人間って言ったら零藍の巫女じゃない。知らなかったの?」

私は、綾香の言葉に頷く。


綾香「はぁ、由紀音らしいわね。」

綾香が、溜め息を吐きながら言う。



由紀音「……ねぇ、私の気の色、どうにかならないの?」

綾香「………私より、白守様に聞くべきじゃないかな?」

綾香が、困ったように言った。


由紀音「白守に………」

綾香「気については、私より白守様が詳しいから。」

由紀音「ねぇ、白守は何処?」

綾香「さぁ、少し前に会ったけど………」

綾香は、そう言うと森の奥に向かって歩き始めた。


由紀音「綾香?何処に行くの?」


綾香「山奥の祠に、供物を捧げに行くの。由紀音は、早く山を降りた方がいいわ。危ないわよ。」

綾香の真剣な表情に、私は頷くしかなかった。

由紀音「わかったわ。」


私は、山奥に向かう綾香に背を向けて、山を降り始めた。


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