時と種族を越えて
由紀音「もしかして、これが私の過去世の記憶?」
――そうです――
何処からか、声が響いてくる。
由紀音「あなたは誰?」
――私は、貴女――
由紀音「私?」
――そうです――
由紀音「………帰りたい。白守の下に。」
――帰りなさい。私は、貴女。白守と幸せになって。これからは、貴女が女神です――
再び、視界が闇に包まれる。
白守「おい、由紀音!どうしたんだ?」
白守の声が聞こえる。
私は、ゆっくりと瞼を開けた。
心配そうな白守の顔があった。
由紀音「白守、ありがとう。今まで待っていてくれて。」
それが、魂に刻まれた過去世の記憶を取り戻した私の口から自然と零れた言葉だった。
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