時と種族を越えて
綾香「それは、分かるけど………」

綾香が、微かに頬を膨らませて言った。



真紀「ところで、白雷を知らない？」

白雷………
白守の双子の兄………
私と白守が互いに惹かれあっていたように、紗理奈と白雷も惹かれあっていた。


由紀音「さぁ？数百年前に、一度会ったけど………白守なら、知ってるかも。」


由紀音「もしかして、森の祠の白雷様？」

綾香が、首を傾げながら言った。


真紀「その白雷は、白狐？」

綾香「うん、」

綾香の言葉に、真紀が顔を輝かせた。


真紀「綾香、学校終わったら祠に案内して！」

由紀音「ちょっと待って！あの山は、色々と邪悪な妖怪が蔓延っていて危険なのよ！真紀が行ったら、喰われるわよ！」

真紀が、黙り込んだ。
女神の魂を宿す者が、邪悪な妖怪に喰われる。
それは、邪悪な妖怪に女神の力が奪われる事を意味する。
その危険性は、女神であった真紀と由紀音が一番良く分かっていた。



綾香「………ねぇ、真紀と白雷様ってどんな関係なの？」

綾香の言葉に、真紀は顔を真っ赤にした。


真紀「……零藍――由紀音と白守と同じだよ。」
真紀の言葉に、綾香が楽しそうな笑みを浮かべた。


綾香「由紀音、白守様とどういう関係なの？」


綾香の瞳が、誤魔化しは効かないと言っている。


由紀音「えぇと………実は………えぇと………」
綾香「実は？」


私が口籠っていると、綾香が突っ込んで聞いてきた。


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