時と種族を越えて
由紀音「白雷、綾香と真紀をお願い!」

白雷「真紀?零藍、それは、誰だ?」


由紀音「紗理奈の事よ!兎に角、二人をお願い!」

白雷「わかった。」

白雷が、頷きうっすらと赤みを帯びた白の結界を張った。


由紀音「白守、来るわよ。」

白守「分かっている。」

私達は、結界を張った。私の結界は、黄色――いや、金色。
白守の結界は、うっすらと赤みを帯びた白。


私達を閉じ込めるように張られている結界は、黒ずんだ黄色だ。

そう、これは邪神によって作られた結界………


神が神を襲うのは、本来禁固………
ましてや、土地神をその土地神の守護する土地で襲うなど、決して赦されない。


由紀音「何者?出てきなさい!私達を誰だと思っているの!」

由紀音の声が不自然な程、山にひびきわたる。


現れたのは、黒い服に身を包んだ、禍々しい神気を放つ者。
邪神だ。


邪神「赦されざる恋をして人間に堕落した、守護女神零藍様と癒しの女神紗理奈様、御二人の想い妖怪(ビト)白守と白雷でございますね?」


邪神の言い分に、真紀が盛大な溜め息を吐いた。
私も、呆れを隠せない。
白守と白雷も、同じだ。


_
< 57 / 66 >

この作品をシェア

pagetop