時と種族を越えて
真紀「白雷、綾香をお願い。」
真紀が、結界から出て私達のところに来た。
由紀音「何やってんのよ!戻って!」
真紀「ごめん、一言言わせて。――ねぇ、何処に神と妖怪が愛し合っちゃいけないって決まりがあるの?」
真紀が、静かに、しかし、はっきりとした良く響く声で言った。
邪神「そのような事は、どうでも良いのです。私は、貴女方の力が欲しいのですから。」
邪神の発言は、私達――綾香以外――の予想通りだった。
由紀音「真紀、下がって。」
真紀「ええ、」
真紀は、直ぐに白雷の作った結界の中に入った。
由紀音「さっさと片付けましょう。」
白守「そうだな。」
私と白守は、気で剣を作り出した。
結界と同じ色だ。
邪神も、剣を作り出す。
黒ずんだ黄色の剣を。
キーン!
カーン!
剣と剣がぶつかり合う。
白雷「二人とも、そいつから離れろ!」
白雷が、叫ぶ。
私達は、咄嗟に邪神から離れた。
次の瞬間、空から邪神に向かって、稲妻が降ってきた。
邪神「邪魔が入りましたね。」
禍々しい結界が消え、邪神も去った。
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