流星群にお願い
流星群にお願い
しん、と静まりかえっています。

透明な闇に包まれている部屋は、カーテンの隙間から漏れる街灯の光りで、天井や壁に太い光の筋ができていました。

カチ、コチ、カチ、コチ。

私はそんな部屋の中で秒針とともに、心の中で朝までのカウントダウンをしていました。

カチ、コチ、カチ、コチ。
57、58、59、60。

ついに2時です。

この時間帯には霊がよく出ると聞きます。

私は怖くなりました。

今までに読んだホラー小説、漫画。
夏にテレビでやっていたホラー特集。
その特集でみた心霊写真や、本当にあったというお話をドラマ化したもの。
肝心な場面で目を逸らしてしまったホラー映画。

ありとあらゆるホラーな記憶、略してホラー記憶が脳内を駆け巡ります。

ドキドキと危険を知らせるように動く心臓の音を聞きながら、布団を首まで引っ張り上げました。
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