流星群にお願い


心臓が止まったのでは?

逃げたいです、とても。
しかし、体が動かないのです。金縛りというものではないと思います。

ただ。
ただ、怖いのです。

このまま寝ていることにしよう、勝手に体にそう命令が下っているようでした。

「起きてるんだろー?流星群みようぜー」

流星群?
私は頬をつついてくるぬいぐるみなんて忘れ、先日のニュースを脳内で再放送しました。

そうです、オリオン座流星群です。

確か、今日までがピークだと言っていました。

私は慌て起き上がり、窓を開けました。

「お、星いっぱい見えるね」

はい。

「あっらー、本当、キレイね」

キレイ……。
あれは何かの星座でしょうか?

「でも、何も流れてないよぉ?」

確かに。
もっとたくさん、シャワーのように降り注ぐものだと思っていました。

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