流星群にお願い
「どうして、どうして私も流星群の会なんかに」

「流星群をともに見ようじゃないかの会なんだけど」

女性がツッコんできたので、涙を流しながら笑うというおかしな表情をしています。

「はっきり言うと、なんとなくだよ、なんとなく。俺らが死んでまで見にきてんのに、あんた寝ようとするんだもん」

眉毛の方が言いました。

しかし、その姿はもう見えません。

「お姉ちゃん、ありがとねぇ」

あの男の子も。

「あんた今日みたいにボケッとしてたら色んなもの逃すわよ」

あの女性も。

私はとまらない涙をそのままに、

「ううん!ありがとう!私こそありがとう!ボケッとしないようにします!」

そう叫びました。
消えてしまった彼らは、もう空へとのぼっているかもしれません。

ですから、ちゃんと聞こえるように。

今まで出したことがなく、自分でも驚くくらい大きな声で叫びました。


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