真夜中の恋愛組曲
Ⅸ
「…自縛霊?」
「そう」
…意味が理解出来ない。
どういう事?
「今から丁度30年くらい前かな…僕には当時大切な女の子がいたんだよ」
「……」
「でもその子は元々病弱でね、外に出ることすら出来なかったんだよ。
その子の唯一の楽しみがピアノだったんだ。
僕はその子の先生みたいな者だったんだよ」
…先生…。
「僕はその子の為に曲を作った。
完成した時、僕は真夜中にも関わらずにその子の為に弾いたんだ。
弾き終わった時には…綺麗な黒い瞳は閉じていて頬には涙が伝っていて
幸せそうに死んでいた」
「……」
「僕はその子の死と一緒に自分を殺した」
レン…。
「でも、その子と僕は違った。
その子は何度も生まれ変われた。
…僕は自殺だから神は生まれ変わる事を許してくれなかったんだ」
「……」
「そして4年前にその子の生まれ変わりがその子の屋敷の近くに住んでいると…。
僕は神に何度もお願いして5年だけ君の傍に居る事が許されたんだ」
「…レン…私っ「月夜」
レンは私を止めた。
「僕の曲聴いてくれる?」
レンは泣いていた。
「そう」
…意味が理解出来ない。
どういう事?
「今から丁度30年くらい前かな…僕には当時大切な女の子がいたんだよ」
「……」
「でもその子は元々病弱でね、外に出ることすら出来なかったんだよ。
その子の唯一の楽しみがピアノだったんだ。
僕はその子の先生みたいな者だったんだよ」
…先生…。
「僕はその子の為に曲を作った。
完成した時、僕は真夜中にも関わらずにその子の為に弾いたんだ。
弾き終わった時には…綺麗な黒い瞳は閉じていて頬には涙が伝っていて
幸せそうに死んでいた」
「……」
「僕はその子の死と一緒に自分を殺した」
レン…。
「でも、その子と僕は違った。
その子は何度も生まれ変われた。
…僕は自殺だから神は生まれ変わる事を許してくれなかったんだ」
「……」
「そして4年前にその子の生まれ変わりがその子の屋敷の近くに住んでいると…。
僕は神に何度もお願いして5年だけ君の傍に居る事が許されたんだ」
「…レン…私っ「月夜」
レンは私を止めた。
「僕の曲聴いてくれる?」
レンは泣いていた。