ノン・レス
考え事をしながら歩いていたら
気づかなかった
「よっ、ひさしぶり!」
スーツ姿・ドレス姿の人で
ごったがえす式場のロビーで
後ろから声をかけられた
「山口くん!
去年の忘年会ぶりじゃない?」
地元に残ったメンバーの一人
わたしを見つけて
声をかけてくれたんだ
「イズミ、今日スピーチだろ。
だいじょうぶなのか?
アガって間違えるなよ」
それを言わないでええ…
「ちゃんと準備してきたから
だいじょうぶだもん…」
そんな話をしていると
他のメンバーもわたしたちに気づいて
続々と集まってきた