ノン・レス
あれから山口君は
マメにメールをくれた
飲みに誘ってくれる事もあった
一人暮らしの私は
家で寂しく食事するよりは、と
ありがたくお誘いを受けた
返事は今度、
って言っておきながら
山口君は
強く返答を迫るような事も無かった
私が
この期に及んでまだ
あなたのことを想っていること
見抜いていたのかもしれない
それとも
もしかしたら
自分の望まない返事を聞くのを嫌って
私たちの関係をはっきりさせることを
先延ばしにしていたのかもしれない
いずれにしても、
いい歳の大人同士。
私が勝手にあなたに憧れ続けていただけで
正式に付き合っていたわけでもなんでもない。
山口君と2人で飲みに行ったりするくらい
特に、何の違和感もなかった。
もともと私たちは
生徒会の仲間。
彼氏彼女という前に
大切な仲間だったんだから。