ノン・レス




毎日の忙しい生活に戻っていって


私の心に占める

あなたへの想いは、また

少しずつ、少しずつ

影を潜めていった。


それは、

山口君と親しくしようがしまいが、

至極当然な成り行き。


やっぱり、距離の与える影響は大きいんだ。

よっぽど心が通じ合っている

恋人同士じゃない限り、

遠距離恋愛なんて、上手くいかないよ。


少なくとも、私は、そうだ。

そんなに精神強くない。

ましてや片思いなんて…笑っちゃうよね。



高校生の頃は

可能性が無限にあったよ。


自分の人生、なんとか上手くいくだろうなんて

良く分からない自信もあったし


素直に、この世界に

奇跡が起こることを信じていた。



あなたが遠くに行っても

いつか、想いを告げられる日が

あるかもしれないなんて

夢を見る事もできた。



夢を見ることができたから、

今の自分になれた、っていうのも

あるけどね。




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