ノン・レス
「ふぁーー」
あ、アクビ出ちゃった。
でも
山口君の前では、アクビしちゃうなんてことも
よくある話。
あなたとゴハン食べてたら
きっと緊張しちゃって、こんなのあり得ないよ。
「イズミ、もう眠いか?ああ、もう11時か」
山口君が時計を見ながら言う。
「えっ、ウソ!もうそんな時間?」
話していると、時間がたつのがあっという間だね。
2人とも、ほろ酔い加減。そろそろ帰る時間かな。
「今週も、忙しかったもんな。土日はゆっくり休めよ。」
そう、今日は、金曜日。
こんなに疲れてなかったら、もうちょっと一緒にいたかったけど。
「うん、そろそろ帰ろっか」
山口君は、…うちに来たいとか泊まりに来いとかは…言わない。
私のことを、ホントに忍耐強く、待っててくれる。
「送るよ」
でも、いつも、
遅くなると送ってくれるんだよね。
…もう少しして、
…もうちょっと、ゆっくり勇気を貯めたら…
私からもう一度、ちゃんと言おうかな。
そうだよ、決めたじゃない。
次に好きになった人には
自分から気持ちを伝えるって。