ノン・レス



しばらくアキラと話して、


アキラの涙が落ち着いてきた頃に、


明日会おうと約束して電話を切った。


私は相変わらず


涙を流すこともできず


あまりに大きなショックを


ただ、受け止めようとしていた。


携帯は、深夜だというのに、ひっきりなしに鳴っていた。


きっと、みんな、驚いて…


「コーヒー、飲むよね」


「ああ」


山口君も、泣いたりはしていなかったけど


ショックなのか、ソファに座り


ずっと、遠くをみるような表情で


私とアキラの電話を聞いていたんだ。


山口君は、特に親しくしてたから…。


きっとショックも人一倍なんだ。



私も、彼も、


とても寝られるような状態じゃない。


私は、しばらく


コーヒーを淹れる作業に没頭して、ショックを紛らそうとしていた。



「あいつ…」


熱いコーヒーの入ったマグカップを手渡すと


しばらく黙っていた山口君が、口を開いた。



私は


言葉なく、頷いて、


山口君に話を促した



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