ノン・レス
「アキラの結婚式で会った時にさ、
俺も久しぶりだったんだけど
昔と、なんか様子違うっていうか…
元気無いっていうかさ…」
「そうなんだ、私も…
元気ないとは思ったけど…
疲れてるんだと思った、
仕事、大変だろうし…」
あとは、
自分のことばかりに
夢中で…
「二次会でもさ、何かあったのかって、
結構しつこく問いつめたんだけどな…
もっと、ちゃんと話聞いてれば…」
山口君は、
両手で掴んだマグカップを
見つめていた。
「だって、ほら…
事故とか。
まだ、誰も、何があったか
詳しくは知らないんだよ。
それに、
山口君のせいで何かあったなんてこと
あるはずないじゃない」