ノン・レス
ふと、気付くと…
電気が煌々と付いたままの部屋
…話してるうちに、
ソファでそのまま
寝ちゃったんだ。
何もかも、昨日のまま
カバンも、
脱いだ上着も、
開いたままのケータイも
…2つのコーヒーカップも。
あなたはもう居ないのに
私の世界はいつも通り
時を刻んでいく。
横で寝ている山口君を
起こさないように、
そっと立ち上がる。
申し訳程度にカーテンをめくり
外をのぞく。
もう、
冬がそこまで来ている
明け方に近いはずなのに
東の空もまだ真っ暗で
まるで夜景のように街の灯が浮かび上がり
夜空の星もほとんど見られなかった。
「…何時?」
山口君も
目が覚めてしまったらしい。
携帯を見る。
「もう5時半みたい…」