初恋~永久に君と~
「起立、礼」

入学式も無事終わり、みんなが帰り始めた。

しばらく何もせずに菜穂と話していると

「桃花!!行くぞ!!」

と後ろから声をかけられた。

びっくりして振り向くとそこには将紀がいた。

「あっ、うん・・・・」

そう言って立ち上がり将紀と一緒に歩きはじめる。

チラッと後ろを見ると

「頑張って!!」

と口ぱくで菜穂が微笑みながら言っていた。

それに
「うん!!」

と同じように口ぱくで返した。

学校からしばらく歩いてついた先は

2人でよく遊んだリンゴ公園。

「ここ、懐かしいよな」

そう言って将紀はブランコに座った。

「よく学校帰りに遊んだよね」

私も同じように横にあるブランコに座る。

「覚えてる?公園で遊んでたときに犬に追いかけられて」

「ああ、覚えてる!!2人で必死に滑り台に上ったんだよな」

そんなたわいもない話をして笑った。

ここで鬼ごっこをしたこと、

滑り台に上ったこと、

将紀がブランコから落ちたこと、

落とし穴を2人でほったこと、

どれもみんな私にとってはかけがえのない思いで・・・・。

「ホントほとんどここで遊んだよね!!」

「ああ!!」

そんな話に花を咲かせていた。

すると将紀が真剣な顔をして、

「桃花、覚えてる?ここでした約束」

覚えてる。

覚えてるに決まってるじゃん。

ずっとずっと将紀のことを思って過ごしてきた。

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