青春グローリー
『ふぅ、この調子で行けば私勝つんじゃないの?』
私は鼻歌を歌いながら歩いていた。
「あ~、田原見つけた~。」
『!!? 君は・・・大食い君!!』
大食い君がこっちに向かっていた。
「大食い君じゃないし~。“一ノ瀬 逢”だよ~?? 3年なんだ~」
『一ノ瀬君ね。私のブラックリストに入れといたよ』
危険だからね、テニス部は。
「“逢”でいいのに~」
『それは無理な話だよ』
名前呼びした日なんか、それこそ私の平凡ライフが終わっちゃうよ。
一ノ瀬君は走りもせず、のたのた歩いてる。
『走らないんだね?』
「ん~、走ると~エネルギーが無くなっちゃうんだ~」
『エネルギー?』
「そ~。エネルギーが無くなるとお腹が空いちゃうの~」
・・・そう言う事ね。
なら一ノ瀬君を振り切るのは簡単かも。
『一ノ瀬君、飴・・・いる?』
「いる!!」
Σ即答!!?
しかも目をキラッキラ輝かせて・・・、まだまだ子供だなぁ。
私はスカートのポケットから飴を3つ取り出した。
『あげても良いけど・・・、条件があるの』
「条件?何々!!?」
そんなに飴が欲しいのか。
『あげる代わりに、私を捕まえるのを止めてくれないかな?』
「うん!!止める止める!!」
Σ即答!!?(2回目)
まぁ、止めてくれるんだしいっか!
『交渉成立・・・だね』
「おう!!」
私は一ノ瀬君に飴をあげて逃げた。