ピンクグレープフルーツ





「中学生のみなさんと回る、大学生のお兄さん、お姉さんを紹介します。」




「C-1は、本橋さん。C-2は、山本さん……」





大学の教授みたいな人が、名前を言うだけ。


他の人は、私です。と合図してくれてるのに…來衣たちの担当の山本さんは、手もあげないし、何もしないから、誰だかわからない。





え……誰だろう…?




「誰かわかんないんだけど~」



と、友達と話していたとき……




「だれ?」



前に座っていた、山口がこっちを向いて、聞いてきた。





2年になってから…初めて、山口が話しかけてきてくれた…



ただ…それだけ…ただそれだけで嬉しかった。




< 130 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop