ピンクグレープフルーツ
「男子、怖いけど楽しかったね~」
あれから、來衣はすぐあたり、そしてすぐに試合は終わった。
山口にボールパスしちゃったよ…。
來衣の頭にはそれだけ。
思い出すたびにニヤけそうになる。
「マジ、あの猿、ムカつく!!」
「だよねー!山口うざい!」
教室のはじのほうから女子の声が聞こえた。
山口に当てられ、色々言ってるらしい。
当てられるとかいいなぁ~。
でも、あたしは……パスしたしっ!!
「猿、ホントムカつく~!!」
「ちょっとぐらい手加減しろよっ!」
しかも、あの女子達は、山口本人に向かって言ってるし…。
山口笑ってるし・・・。
でも、いいもん!!
あたしはパスしたんだから☆
今は、山口としゃべってる女子がいても、嫉妬なんてしない!
別にいいもん!
あたしは・・・パスしたんだから!!
しかも…、あたしは山口に女子と話すな!なんて言える立場じゃない。
分かっていても、ついそう思ってしまうことがある…けど・・・。
今は大丈夫!!
だって・・・
あたしは、山口にパスしたんだから!!!!!!