砂のお城
まさか、と思った。
彼女が弾いているはずなんてないのに。
「そういや、この学校って音楽科もあるんだよな」
「あ、あぁ」
「…?どうかしたか?」
「いや、何でもない」
音楽科の誰かが弾いているに決まっている。
けれど、
『ね、晴。この曲が弾けるようになったら、一番初めに聴かせてあげるからね』
そう言って笑っていた幼なじみのことを思い出して、俺は少し切なくなった。
「今日は音楽科の推薦入試みたいだぞ」
進学科の校舎を挟んで、スポーツ科と正反対の位置にある音楽科の昇降口の貼り紙を見つけて、拓也が叫ぶ。
「音楽科、か」
優花は、いったいどこの高校に進学するんだろう。
そんなことを考えてしまう自分は馬鹿だ。
けれど、気になって仕方がなかった。
彼女が弾いているはずなんてないのに。
「そういや、この学校って音楽科もあるんだよな」
「あ、あぁ」
「…?どうかしたか?」
「いや、何でもない」
音楽科の誰かが弾いているに決まっている。
けれど、
『ね、晴。この曲が弾けるようになったら、一番初めに聴かせてあげるからね』
そう言って笑っていた幼なじみのことを思い出して、俺は少し切なくなった。
「今日は音楽科の推薦入試みたいだぞ」
進学科の校舎を挟んで、スポーツ科と正反対の位置にある音楽科の昇降口の貼り紙を見つけて、拓也が叫ぶ。
「音楽科、か」
優花は、いったいどこの高校に進学するんだろう。
そんなことを考えてしまう自分は馬鹿だ。
けれど、気になって仕方がなかった。