砂のお城
「4月から、翼くんとは別々だね。翼くん、ヴァイオリン上手なのに」
「翼は、音楽は趣味でいいんだよ。…ま、進学科にするか、音楽科にするかは悩んでたみたいだけど、別のことで」
静がチラリと私の方を見る。
「…?静?」
「ううん、何でもない」
たまに静は考えてることがわからない。
私の思考は、だだ漏れなのに。
なんか、敗北感…。
「静、なんかズルい」
恨めしげに静を見上げると、小さい子にするように静は私の頭をぽんぽんと叩く。
「優花には、まだわかんないよ」
「そうやって、また子ども扱いするぅ」
きっと実際、私のほうが静より子どもだ。
私なんかより、いろんなことを知っている。
「…いつか、わかる日が来る?」
「翼次第でしょ、それは」
だから、なんで翼くん?
「翼は、音楽は趣味でいいんだよ。…ま、進学科にするか、音楽科にするかは悩んでたみたいだけど、別のことで」
静がチラリと私の方を見る。
「…?静?」
「ううん、何でもない」
たまに静は考えてることがわからない。
私の思考は、だだ漏れなのに。
なんか、敗北感…。
「静、なんかズルい」
恨めしげに静を見上げると、小さい子にするように静は私の頭をぽんぽんと叩く。
「優花には、まだわかんないよ」
「そうやって、また子ども扱いするぅ」
きっと実際、私のほうが静より子どもだ。
私なんかより、いろんなことを知っている。
「…いつか、わかる日が来る?」
「翼次第でしょ、それは」
だから、なんで翼くん?