砂のお城
結局、翼くんのことは聞けないまま静と別れ、帰路に着いた。

「優香、おかえり」
「ママ、ただいま」

ママにただいまを言うと、自室のある二階へと向かう。

「ふー…、何か疲れた」

ゴロリとベッドに寝そべり、目を閉じた。

『優香っ!』

まぶたの裏に浮かぶ幼い晴の姿。

「やっぱり、似てたな…」

駅で見かけた男の子は、晴に本当にそっくりだった。

背は大きくなってたけど、顔立ちとか雰囲気とか。

でも、こんなところにいるはずがないからやっぱり、他人の空似なんだろうけど。

「会いたいなぁ…」

私は、ピアノの上の写真立てを見つめた。
< 20 / 20 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

あの日の願い

総文字数/8,614

恋愛(その他)34ページ

表紙を見る
彼女は天使。

総文字数/2,513

恋愛(その他)7ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop