砂のお城

「じゃあね、向こうでもしっかり頑張るのよ!」

「わかってる」

あの日から5年。

無事、高校受験も終わり、俺は第一志望に合格した。

進学先は、サッカーの名門城南高校。

スポーツ科と進学科、音楽科のある隣の県の有名校だ。

きっかけは、中学最後の大会。

優花と離れてから、俺は悲しさや寂しさを全てサッカーにぶつけていた。

おかげで、というのか、俺は随分サッカーのことが好きになった。

そして、なんと俺たちの中学が全国大会で準優勝したのだ。

決勝を見に来ていた城南の監督にその時声をかけられて、俺はサッカー部の入部テストを受けることになった。

だが、城南は入部テストに合格しても、入学試験に合格しないと入れないのだ。

しかも、入学試験は難しいことで有名。

俺には到底無理なレベルだった。
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