165センチ
「…ジュース買ってきた」
ふと声の聞こえた方を見るとずいぶんと小さい女の子がジュースを二本持って立っていた。
150センチあるのだろうか、ないかもしれない。
髪の毛は寝ぐせなのか天パなのか、毛先があっちこっちにはねている。
顔は、なんというか…眠そうだ。
「あ、ミチルありがとーっ!」
ミチルと呼ばれた彼女はジュースを一本手渡す。
すると手渡された方の彼女は一瞬にして不機嫌な顔になった。
「ねえチビ、カルピス、頼んだんだけど」
「なかったんだ、カルピス。だから私が最近ハマっているブドウジュースにしてみたんだ。飲め」
「ぬぬぬぬぬぬ・・・」
ミチルはチビと言われたことをまったく気にしていないのか、怒る様子もなく、パックにストローをさしてジュースを飲み始めた。