蝙蝠伯爵-ｺｳﾓﾘﾊｸｼｬｸ-

翌日、目が覚めるやいなや白井は女性の言葉を悶々と考えていた。



「ケホケホッ、死ぬって本当なのか？でもその前に大切なモノ無くすって…」



白井は近くにあった広告を引っ張り出し、裏が余白になっているものにつらつらと大切だと思うモノを書き並べていく。



（家族…って言っても独り身だしな。金か？いや、確か残高そんなになかったよな？命、ってそれより前に無くすって言ってんじゃん！つーか俺命も無くすんじゃん！！）



白井はため息をついて机に鉛筆を投げ出した。


そのまま仰向けに寝転ぶ。


すると数秒のうちに勢いよく起き上がった。



「つーか俺自分の未来見れるじゃん！！！ゴホッ！」



白井はなぜもっと早くに気付かなかったのかと自分のおでこをパチンと叩く。


自称占い師をしている時とは打って変わって昼間はテンションの高い白井であった。