蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
数分経つと白井は何か思い立ったのか口元を緩ませた。



「…俺はバカだな。ケホッ!自分の命日、死因が分かっているのにわざわざ筋道通り死ななくてもいいじゃないか。ゴホッ!」



白井はベッドから上半身を起こす。



「水に触れて死ぬなら触れなきゃいい。ゲホッ!家に居て死ぬなら居なけりゃいい。未来はいくらでも変えられるじゃないか!ゴホッ!」



するとベッドから立ち上がる。



「三週間後、俺は絶対死なない!未来を変えてみせる!!ゴホッゴホッ…」



部屋で一人大きな声で言い、気合いを入れる。


その後我ながらいい作戦だと増長し、がははと笑った。


同時に激しい咳をする。


「ゲホッ!ゴホッゴホッ!……はぁ。取り敢えずこの咳どうにかしないとな。風邪か?だが俺はこんな風邪にも負けない!!ケホッ!」



もう一度言うが白井のテンションは太陽と比例し昼はハイだ。
< 114 / 165 >

この作品をシェア

pagetop