蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
白井は声も出せないまま倒れた。



(まさかこんな事って…!)



遠退く意識の中白井は雨でぐしゃぐしゃになった土を掴む。



(未来は変えられるのに、運命は変えられないっていうのか!?)



「くっ…そ……!ゲホッ…!」



雨とも涙とも分からぬ水で顔をぐしゃぐしゃにして白井は目を瞑った。


それと同時に頭に激痛が走る。


これは三週間前に予知をしていた時に襲った痛みと同じだった。


しかし白井は痛みにもがく事も出来ずそのまま意識を手放した。
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