蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
医者は首を傾げてそのままベッドの側の椅子に腰を下ろす。


そのまま状況説明に入る。


だが白井は上の空だった。


突然訪れた衝撃にただ唖然としている。


それは。



(未来予知が出来なくなってる…。)



そう、予知が出来なくなっていたのだ。



(でも何で…まさか落雷のせい?)



考えるがそれしか心辺りがない。


もしかすると感電した時に何らかの電磁波の影響を脳に受け、能力を失ったのかもしれない。


すると白井はあの女性の言葉を思い出した。



(まさか大切なモノを無くすってこの事なんじゃ…!)



今までに無くしたモノはないし、予知は仕事道具の一部だったので確かに大切だったかもしれない。



(じゃあ、俺はまだ生きてていいのか!)
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