蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
そう思うと何とも言えない歓喜が溢れてきた。


この三週間、いくら未来を変えることが出来るといえども、万が一の事を考えてひたすらやり残した事をしてきた。


だが結果はどうだ。


能力を失ったにせよ、まだ命はある。


白井はあまりに滑稽な自分に笑いが込み上げてきた。


くつくつと肩を揺らしていると医者に肩を掴まれる。



「白井さん?話しちゃんと聞いてます?」


「えっ、あっ。何でしたっけ?ゲホッ」



白井は今医者の話しを聞いてる最中である事をすっかり忘れていた。


笑いをこらえ話しを聞く。



「いいですか?しっかり聞いてくださいよ。それで、X線検査をした結果、あなたの病名が発覚しました。」


「病名?ケホッ」



白井は首を傾げる。
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