蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
 
 
「おい誠、大丈夫か?」


「あっああ。」



昼休みの次が体育なので着替えをしたはいいが、あまりに調子が悪くふらつく。


そんな誠を見て真也はかなり心配しているようだ。



「やっぱ、休めば?」


「やっ、熱がないから大丈夫だ。」



着替える前に保健室へ行き体温を計ったが熱はなかった。


だが見た目は全く大丈夫そうには見えない。


それでもやると言い張る誠はふらふらしながら校庭に出た。


しかしいくら熱がないと言っても辛いことは変わりない。


それに加え激しい運動をしたために誠はグラウンドでバタリと倒れてしまった。



「誠!大丈夫か!?」



抱き起こされてうっすら目を開く。


目の前には真也。


更にその後ろにはなんとあの女子高生が誠を見つめて立っているのだ。



(何でここに…)



言葉にすることも出来ず、そのまま意識を手放した。
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