蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
「お願い!ここにいて!もし本当に出て行くならあなたをこの家に閉じ込めるわ!!」
カタリーナの狂った独占欲が爆発する。
しかし瞬間的に時嗣の眼差しが凍てつくような冷たい氷の視線へとかわった。
その瞳にカタリーナは少し退行する。
「はぁ…本当に人間というものは面倒くさい。今だってほぼ俺をこの家に縛り付けているくせに。」
時嗣は眉を顰める(ひそめる)。
時嗣はもう一度ため息をついた。
「お前がそこまで言うならお前も今までの奴らと同じ道を辿ってもらう。」
「同じ道?」
カタリーナが首を傾げていると時嗣はゆっくりと近づいてくる。
そして腰に差してあった刀を鞘から抜き出した。