蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-


「上野ー!持ってきてやったぞ!」



登校してくるやいなや飯田は勢いよく教室のドアを開け第一声を耕太に投げた。


既に登校していた耕太と江崎は飯田の席へ行く。



「ほらよ。」


「おーサンキュ。」



飯田からアルバムを受け取ると耕太と江崎の二人で見始める。


そして僅か数ページ捲ったところで耕太は我が目を疑った。



「おっ!この頃の品川は本当にチビだな〜」


「だろ?こいつ背の順で並ぶ時いつも一番前だったんだぜ?なのに今じゃあんなにデカくなってなぁ〜。」



だが江崎は全く気付いていない様子である。


飯田も全く気にする素振りを見せずに過去の思い出に浸っている様子である。
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