蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
もしかしたら病気で大きくなれないのかもしれない。


だがそうだとすればなぜ飯田と江崎が共にこの少年を見て成長しているというのだろうか?


ただこの少年を気遣いそう言っているのだろうか?


しかしそうだとしても中学の三年間で二十センチも大きくなったなんてあからさまにおかしい嘘をつくものなのだろうか?


考えれば考えるほどなぜなのか分からない。


耕太が写真と睨み合いをしていると江崎が肩をポンと叩いた。



「納得いかねーなら品川に会ってみるか?」


「へっ?」


「あいつの高校、俺たちの学校と最寄り駅同じだからさ、帰りに会えるぜ?」


「おっそれいいな!百聞は一見に如かずって言うし俺らも久しぶりに品川に逢いたいしな!」
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