蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
それから二人で他愛もない話しで盛り上がった。


高校時代の事。

大学の事。

彼女の事。


結局気付けば空が茜色になりかけていた。



「うわっもうこんな時間だよ!」



哲志は携帯の時計を見て驚いていた。



「哲志明日学校?」


「そうだよ?何、新休み?」


「今推薦入試で一週間休みなんだ。」


「まじで!?いーよなー。」



羨ましそうに俺の顔を見てから哲志は立ち上がった。


それにつられて俺も立ち上がる。



「それじゃあ、またな!」


「ああ。」



お互い別れを告げてその場を後にしようとした。


まさにその時。


俺は一瞬目の前が真っ白ならぬ、真っ黒になった。
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