蝙蝠伯爵-ｺｳﾓﾘﾊｸｼｬｸ-

お風呂から上がり布団に潜った時には既に二時前だった。


朝に弱い可南子は寝坊しないようにいそいそと眠りにつく。



ピンポーン



少しウトウトし始めていた可南子の耳にインターフォンの音が響く。



ピンポーン



二度目の音。


おかげで眠りの世界から引き戻される。



ピンポーン



「もー！！」



怒りを露わにし布団から抜け出す。


時計を見ると二時ちょうど。


誰なのかチェックしようとインターフォンのモニターを見るが映像が映らない。



「門からの呼び出しじゃない？じゃあ玄関か…」



大方隣りのなつめだろうと思いながらため息をついた。


いくら同じマンションだからといってもこんな時間に来るのは迷惑である。


可南子はイライラを更に募らせて一応玄関の覗き穴から確認する。