蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
ピンポーン
ピンポーン
ピンポピンポーン
ピンポピンポピンポピンポピンポピンポーン
激しい呼び出し音に漸く気づくと可南子は辺りを見渡す。
辺りはもう明るくなっていた。
「…ん?あれ?何でこんなところで寝てるんだっけ?」
寝ぼけた頭をかきながら欠伸を一つ。
その間も激しい呼び出し音は続いている。
「…朝っぱらからうるさいな……」
腰を上げ玄関に向かう。
しかし部屋のドアを開けて驚愕した。
「なっなんだこれ…」
なんと玄関から部屋までまるで何かを引きずったような血の後がついていたのだ。
可南子はびっくりしながらも今もなお鳴り続ける呼び出し音に応えるべく玄関へ向かう。
そしてドアを勢いよく開けた。
「うるさっ…」
「可南子さん大丈夫!?」
可南子の怒鳴る声を抑えてなつめが飛びついてきた。
「大丈夫!?」
そう言いながらなつめは可南子の全身をチェックしていく。
「えっちょ…何!?」
「よかった…どこも怪我してないか…」