蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
それからあの夜から一時の足音は消えた。


もちろん二時に現れた謎の女性も現れない。


結局あれらは何だったのかはよく分からないまま幕は閉じた。


だが可南子にそんな事はもう関係ない。


既にあの借家は引き払い別のところに移ってしまっているから。


なつめはというと相変わらずそこにいる。


だが彼女は只の一度も奇怪現象にはあってはいない。


唯、可南子がいた部屋を後に借りた住民は今でも毎夜深夜一時の謎の呼び出し音に悩まされているという。








-肆 深夜一時-終わり
< 76 / 165 >

この作品をシェア

pagetop