蝙蝠伯爵-コウモリハクシャク-
だが加賀美は村上がオカルト好きで更に性悪な事を知っている。


なのでこれは村上の悪戯だと確信した。



「村上ならきっとすぐ近くにいるわよ。多分古橋を脅かそうと企んでるんじゃないの?」


〔だから違っ!〕


「あーわかった、わかった。兎に角村上が出てきたら遊んでないで仕事しなさいって言っといて。じゃあ。」


〔まっ…〕



加賀美は古橋の制止も聞かず電話を切る。



「まったく…村上の性悪も困ったものね。」



ため息をつきながら携帯を上着のポケットにしまう。



「塚原、先をい……塚原?」



先を急ぐ事を告げようと後ろを振り向く。


だがさっきまでベッタリくっ付いていた塚原が何処にもいない。



「もーどこ行ったのよ…。」
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