蝙蝠伯爵-ｺｳﾓﾘﾊｸｼｬｸ-

ブルッ



「何か今物凄く悪寒が…」



北棟の加賀美は相変わらず塚原と犯人に繋がる何らかの手がかりを捜していた。


一階から順に見て回るが未だに何も手がかりが掴めないまま遂に最上階に着く。



「塚原に全然会えないわね…。行き違いになっちゃったのかしら？それにさっきの古橋からの変な電話と血も気になるし…」



その時。



ピチャ

ピチャ



「水音？………まさか血？」



どこからか聞こえてきたその音に聞き耳をたてる。


加賀美はその音の根源に向かうべく音を辿っていく。



ピチャ

ピチャ



徐々にその音は大きくなっていき、第二手術室と書かれた部屋へ辿り着いた。


加賀美はドアをゆっくり開き中の様子を窺う。


同時に錆びた鉄のような生臭い臭いが鼻をさす。


加賀美は拳銃を構え中に入った。


すると左手に持っていた懐中電灯があるものを捉えた。