甘めな恋愛ショート集



そう私は乱暴に言って
彼が渡してくれたココアを
いっきに飲みほ――

「あちちゃっ!」

熱かった。

温かいどころじゃねぇ。

私は慌ててコップをテーブルに置いた。

「ひしゃがやへどひゅる…」

言葉になってないのはわかるこど、言わずにいられなかった。

日本語訳は、
舌がやけどする。

「大丈夫ですか?」

彼がそう言ってクスクスと笑った。

「言い忘れました、熱いって」

「遅いっつの!」

私は怒鳴って、
今度はふーふーしてから飲んだ。
さっきの熱いココアのせいで
涙目だようわぁ。



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