甘めな恋愛ショート集



「え、ちょっ…」

「ミカ姉、油断禁物だよ?」

私の手を自分の口元に運んで
ケイくんはキスを落とした。

「ふぇ、あ…」

「忘れてた?」

まっすぐな目。
サラサラの綺麗な亜麻色の髪が目に眩しい。

忘れてなんかない。むしろ。

「ミカ姉、顔やばい」

口元を舌でペロ、と舐めてケイくんが言った。

「へ…?」

「真っ赤だよ」

ケイくんは私の手をぱっと離すと、ゆっくり歩きだした。

「行くよー、ミカ」

いつの間にか呼び捨てだった。

それさえに、心臓がイチイチ反応する。

「待って、ケイ」

だから私も呼び方を変えた。

年下の男の子じゃなくて、
一人のオトコに感じた。


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