†幻獣国物語り†金崋編
序章
「なぁ、姉さん。本当にやるのか?」
十代半ばらしき年齢の少年が、面倒臭そうに隣の少女に話し掛ける。
「当たり前よ!何のために転入届だしたと思ってるの!!」
金に近い茶色の髪。黒に近い茶色の瞳の少女は、弟の質問に威勢よく言い放った。
「でもさ、危ない事だぜ。伯父さんも、ダメそうなら帰ってこいって言ってたし」
少女の威勢に負けず、慣れたかのように弟は姉に、のんびりと言う。
少年は姉と同じ色の髪と瞳をしていたが、姉よりも色素が薄く、茶色の髪と瞳はより一層金に近かった。
「大丈夫よ。少し様子見て身に余るなら、そん時は帰ればいいし。
――この力が伯父さんの役になるんだから、頑張ってみたいし…」
少女は最初は元気良く言い放ったが、最後は少し淋しそうに呟く。
その声を聞いて、少年もまた淋しそうな顔をした。
「それに、まだ何もやっていないのよ!最低でも確認ぐらいは、やっときたいじゃない」
「――うん、そうだよな」
姉の元気の良さに少年は照れ臭そうに笑い、少女は決意を秘めた瞳を目の前の建物に注ぐ。
そして二人は、足並みをそろえて『L・S学園』と書かれている建物の中へと、入っていった。
09/02
十代半ばらしき年齢の少年が、面倒臭そうに隣の少女に話し掛ける。
「当たり前よ!何のために転入届だしたと思ってるの!!」
金に近い茶色の髪。黒に近い茶色の瞳の少女は、弟の質問に威勢よく言い放った。
「でもさ、危ない事だぜ。伯父さんも、ダメそうなら帰ってこいって言ってたし」
少女の威勢に負けず、慣れたかのように弟は姉に、のんびりと言う。
少年は姉と同じ色の髪と瞳をしていたが、姉よりも色素が薄く、茶色の髪と瞳はより一層金に近かった。
「大丈夫よ。少し様子見て身に余るなら、そん時は帰ればいいし。
――この力が伯父さんの役になるんだから、頑張ってみたいし…」
少女は最初は元気良く言い放ったが、最後は少し淋しそうに呟く。
その声を聞いて、少年もまた淋しそうな顔をした。
「それに、まだ何もやっていないのよ!最低でも確認ぐらいは、やっときたいじゃない」
「――うん、そうだよな」
姉の元気の良さに少年は照れ臭そうに笑い、少女は決意を秘めた瞳を目の前の建物に注ぐ。
そして二人は、足並みをそろえて『L・S学園』と書かれている建物の中へと、入っていった。
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