†幻獣国物語り†金崋編
「初めまして。剣(つるぎ)紅凪(こうな)です」

 そんな事を考えているうちに、早くも自己紹介が始まった。
 少女、剣さんは輝くような腰まで届きそうな真っすぐな黒髪。
 その髪とまったく同じ色の、でも好奇心とかでますます輝いている黒い瞳。
 身長はわたしより小さいかな?
 わたしは、もうちょっとで160いくくらいだから…155くらいかな。

 きちんと姿勢をのばし、堂々と笑って自己紹介をしている彼女は、女のわたしでも見とれる程、美しかった。
 見た目の綺麗さもあるんだけど、それよりも内側から漏れだす気品?ていう感じのもので、より一層美しく感じさせている。
 こういうのを、カリスマっていうのかな?

「翼(つばさ)隼人(はやと)です。よろしく」

 何かを堪えるような感じで、無表情に自己紹介したのは、翼くんという少年。
 わたしよりもはるかに身長がある。
 おそらく170前くらいだと思う。
 で、こっちもなかなか格好いいかもしんない。
 すっごく、とかとても、とかはつかないが、平均よりは上かな。
 そして、彼のところどころ跳ねてる、ちょい長めの黒髪は、どこか人工物を思い浮べる。
 人工物=かつら じゃなくて、たぶんわたしの感では染めてると思う。
 何で黒髪に染めてるのはナゾだけど。
 でも、それよりも目を引くのは彼の目ね。

 野生の動物の目をしてるわ。

 わたしの第一印象は。
 そして、彼の瞳の色は黒じゃなくて濃い茶色。
 この色の方が、彼に似合うとわたしはみた!

 そんな彼らの美しさ、異質さにクラスのみんなは無言で彼らを見ている。

            09/03
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