†幻獣国物語り†金崋編
「それでは質問ある人は?」

 相変わらずの笑顔で、先生は質問コーナーの場をもうける。
 昨日のわたしのように。
『………』

 でも、わたしの時と違って誰も発言しない。
 無言で二人を凝視している。

 どうでもいいけど、わたしん時とえらい違いじゃないか。
 まあ、 いいけどさ。別に!

「…ないようなので、席につきましょうか。
 翼くんは窓側の一番後ろから二番目で、剣さんはその後ろよ」

 ふ〜ん、窓側の席なんだ。
 いいなぁ。後ろの方の席だし。
 まあ、わたしも一番後ろだけどさ。
 …って、わたしの隣!!

 そんな事を考えているうちに、最初にきた翼くんが席についた。
 みんな二人の事を、まだ見てる。
 まあ、わたしも見てるけど。

 そして、わたしは剣さんが座るのを無言で見てた。
 ふん。どーせ他人の事は言えませんよ!

 そして、座った剣さんは視線を感じたのか、横を向いた。
 みんなが剣さんを見ているのに、なぜか横にいるわたしと最初に目が会ったのよ!

 …わたし、他の人より凝視してた?

「よろしく」

 少し驚いているわたしに、彼女は気さくに笑いかける。

 …悪い子ではないようね。

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